特 長 |
|
本装置は超伝導等の各種研究において、種々の物体を冷却し、また極低温環境を作るために、 液体ヘリウムを低温容器からそれら使用設備へ移送するためのものです。 従来、液体ヘリウム を移送するときは、 47Lまたは10Lヘリウムガスボンベを使用し低温容器内を加圧します。 あるいは、ゴム風船状のガスバルーンを 用いて行われています。 近年、国立研究機関では、 ヘリウムガスボンベを実験室内で用いることが安全管理上規制 されるようになっています。 国立大学も独立行政法人に移行するようになりますと、このような傾向が強まると容易 に想像されます。 また、ガスバルーンを用いるのは極めて非効率的であり、 円滑な研究の妨げとなります。 このような諸問題を解決するため、本装置は開発されました。
各機能について | ||
運転モードI(通常の加圧移送) | ||
30L から250L 程度までの液体ヘリウム貯蔵容器から液体ヘリウムを使用する設備へ約1L/分の 流量で供給します。 例えば、50L の液体ヘリウム槽を持ったSQUIDを用いた磁化測定装置であれば、ローリミットの30%液面レベルから95%まで約20分で液体ヘリウムの補充が行えます。
|
||
運転モードII(連続フロー式クライオスタット対応) | ||
液体ヘリウムを約1から3L/時間で連続的に流して使用する、いわゆる連続フロー式クライオスタット において使用できます。 流量制御は、ヘリウムガス吸気口に付いているニードルバルブによって行いま す。 ヘリウムフローが減圧状態ですので、4.2K以下の液体ヘリウムが所定の冷却部分に液体状態で移 送されることを保証します。
|
||
運転モードIII(自動運転) | ||
液体ヘリウム貯蔵容器あるいは液体ヘリウムを使用する設備に付属している液面計の0から10VDC程度 の外部出力信号を本装置に入力し、液体ヘリウム貯蔵容器の下限あるいは液体ヘリウムを使用する設備の 上限・下限を設定して上記運転モードIの操作が可能です。 これは、無人で液体ヘリウムを補充する事 を可能にする事を意味します。
|
||
液体ヘリウム加圧移送時間設定機能 | ||
本装置に内蔵している電磁弁の開閉タイミング時間を0から2分まで設定することができます。 液体 ヘリウム貯蔵容器及び液体ヘリウムを使用する設備の組み合わせにおいて、最適な液体ヘリウムの移送を 実現します。
|
||
運転時間設定機能 | ||
0から300時間までのシステム運転時間設定が可能です。 0時間設定は、システム運転停止となります。
|
型 式 | 運転モード | 機 能 |
SH-1 SH-2 SH-12 SH-13 SH-123 |
Iのみ IIのみ I & II I & III I、II & III |
LHe 移送用 小型LHe クライオスタット移送用 外部信号運転機能なし 小型LHe クライオスタット用なし フル機能装備 |
電源:100VAC, 50/60Hz
250L容量の液体ヘリウム容器から50L容量の ヘリウムクライオスタットへ移送した例 |