SQUID磁束計用ヘリウム3
冷凍システム
(特許出願中)
0.5Kからの磁化測定が可能 |
磁束計にサンプルホルダーロッドを装着したヘリウム3インサートクライオスタットをセットします。 インサートの外部を2K以下の環境にして、インサート内部にヘリウム3を導入し凝縮させ、ポンピングすることにより、0.5Kの低温環境を実現しました。
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既存SQUID磁化測定装置に改造なしで設置可 |
サンプルホルダーロッド挿入部にウィルソンシール付き取付け用部品を付けるだけで、磁束計本体を改造しなくても、本システムのヘリウム3インサートクライオスタットを容易に設置できます。
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ユーザーフレンドリーな自動測定ソフト付き |
近年、計測用プログラム開発ソフトとして汎用的に使用されるようになったLabVIEWTMをベースにした測定プログラムを開発しました。 磁束計本体に付属する測定環境と同じように、温度、磁場、測定シーケンスをプログラムして自動測定ができます。 |
1986年、La系高温超伝導体が発見されて以来、物質の研究開発に従事している研究者に広 く使用されている実験装置の一つに、超伝導量子干渉素子を利用した磁束計(米国カンタムデザイン社のMPMSなど)
があります。 それら磁束計の測定温度範囲の多くは、2Kから室温程度までです(オプションにて、800Kの高温 まで測定できるものはあります。)。 しかしながら、今までに2K以下の低温まで磁化測定ができるものはありま
せんでした。 そのため、近年注目を集めている超伝導転移温度が1K前後のSr2RuO4やCd2Re2O7といった超伝導酸化物、種々の重い電子系超伝導体などの特異な超伝導
体の研究に際して、そのDC磁化測定をすることは不可能でした。 また、磁性体の例を挙げれば、世界初の純粋有 機強磁性体であるpNPNNのキュリー温度は0.6Kであった為、手作りの装置で研究が行われました。
このようなニーズに応えるべく、2003年、SQUID磁束計の歴史に新たなページを拓く新製品が登場します。
その名は、i Helium3χ。 0.5Kからの高感度磁化測定を可能にします。
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Sample Holder Rod Lower Parts
0.55K~1.25KのAlの超伝導転移測定例
ヘリウム3ガスハンドリングシステム
測定プログラムソフト画面
i Helium3χ仕様表
最低到達温度 0.5K以下 |
最低温度保持時間 10時間 at 0.5K |
温度安定性 ±10mK |
最高温度 4.0K |
サンプルスペース φ6.0×20mm |
超伝導量子干渉素子を利用した磁束計に対して、他の物理量の測定機能を付加することで、オールインワンのソリューションを提供することも目指しています。 これは磁束計の新旧には関係なく、最新の測定装置を用いた高感度測定系を付加することができるというものです。 研究者に要求される測定機能を付加することで、研究者が持つ磁束計を最大限に活用するソリューションパッケージの製作に挑んで参ります。 具体的には、電気抵抗の温度・磁場特性、およびホール係数の温度・磁場特性を0.5Kから自動測定可能なパッケージを開発して参ります。